こころとからだが喜ぶ暮らしを❤

岐阜街道の材木屋 三代目 一級建築士

住まいる設計士 いわくにです🎵

 

 

今朝、日経新聞を見てたら、

「住宅耐震化の補助増額」

の記事が目に留まりました。

耐震化の補助増額20160823

 

非常にわかりにくい記事です。

 

ようは、耐震補強を促すための

国から各自治体への補助金額を

増額する。

各自が受け取れる補助金額は、

国からの金額に各自治体からの分を

プラスするので、

各自治体に聞いてくれと!

 

一宮市の場合、

耐震補助金の限度額は、

いままで1棟当たり90万円

でした。

 

これに30万円増額される

可能性が出てきたと!

 

しかし、今まででも

90万円もらうには、

現行の建築基準法の耐震基準を

超える強度になるように

補強する必要があります。

 

これが、

なかなか至難のわざ!

 

実際に耐震強度の診断した場合、

現行の建築基準法で

必要とされている耐震強度の

15%ぐらいしか強度のない建物

ざらにあります。

 

これを100%にするのは、

とっても大変です。

 

そのうえ、

新聞の記事では、耐震性を高めるのに

100万円~150万円と書かれていますが

 

この金額は、

補強にかかわる補強部材や

金物を取り付ける実費の金額。

 

補強をするために、壁をめくったり、

床や天井に穴をあける費用は、

入っていません。

 

たいていは、

床、壁、天井にあいた穴をふさいで

一部屋まるごと内装をやりますよね!

 

それらの費用は、

政府がいう耐震工事費用に

含まれていません。

 

めくった壁や

床や天井にあけた穴がそのままでも

耐震強度さえ高まれば、

建物としては、耐震性の高い

安心安全な家なのですが(^o^;...

 

だから、

一般的な一戸建ての住居を

理想的な耐震強度の建物にするには、

数百万円の費用がかかります

 

家中の内装が新しくなりますけどね!

 

ここまでやったら、

ユニットバスやシステムキッチン、

シャワートイレなども

たいていは新しくしますけど、

それも

この金額には含まれていません。

 

だから、

昭和56年以前の一戸建て住宅の

耐震性を現在の基準にするためには、

1000万円近い金額か

それ以上を覚悟して

おかなくてはなりません。

 

だから、住宅の耐震化を

断念する人が多くて!

 

いままで

90万円の補助金申請してる人が

とても少なかったわけです。

 

この補助金が30万円増額される

ことになるのでしょうが、

耐震化の工事をされる方が

どのくらい増えるか分かりません。

 

しかし、耐震性が低い建物は、

倒壊する確率が、

極めて高いです

 

img 57bc449746f31

 

写真は、

耐震性ののある建物とない建物の

地震後の様子です。

 

おそらく、本宅と

息子さんが建てた新しい家!

立派な本宅の一階が見事に

つぶれています。

 

耐震性のないままにしておくと

倒壊する可能性が高いです。

 

倒壊すれば、命が失われる

可能性がとても高いです。

 

img 57bc469f95f45

 

熊本で大学生が犠牲になった

アパートは新しそうに

見えましたが、

耐震性のない昭和40年代の建物

見た目だけ、内装、外装リフォーム

されたものでした。

 

耐震性のないことを隠して

入居させていたのならば、

殺人だと思います。

 

少なくとも詐欺です。

 

あなたが、

今お住まいの住居は、

大丈夫ですか?

 

もし、あなたが、

住宅のリフォームをお考えならば、

こんなのにだけは、

引っかからないでください。

 

img 57bc49a56beb9

これは、中越地震の時に

取材が殺到した建物です。

 

耐震化をしないで

まるごとリフォームされていました。

 

そのうえ、軽い屋根から重い屋根に

ふき替えられたため、

地震に対して、以前よりも

危険になっていました。

 

専門家から見れば、

地震で倒壊させるためにした

リフォームしたのかと

思ってしまう工事です。

 

お金をかけて、

ご家族の命を危険に

さらすことに!

 

耐震化工事をおすすめしますと

「年齢的に生きている価値のない

人間だからそんな費用をかける

つもりはない。」と

言われる方があります。

 

人それぞれの価値観ですので、

その言葉を否定するつもりは、

ありません。

 

しかし、

あなたのご家族がこれからも

活躍される人でしたら、

お住まいの災害に対する備えも

考えていただきたいのです。

 

少なくとも、

ご家族の命を危険にするような

リフォームだけはしないで

ください!

 

中越地震のあの家のように

取材が殺到して有名にはなりますが、

ご家族の命は帰ってきません。

 

それでは、また明日(‘ー‘)/~~

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