木の住まいが木を育てる森になる

 秋が深まってきて、過ごしやすい気候となってきました。
前回は、災害と木造住宅についてのお話しをさせていただきました。
今回は、木の住まいが木を育てる森になるという話です。

 異常気象は、地球の温暖化が原因とも言われています。
その問題解決に貢献しているのが、二酸化炭素を吸収する木の力です。
木造住宅や木製品は、吸収した二酸化炭素を固定するため、大気中の濃度を減らします。

 古民家鑑定に伺いますと、再利用した柱や梁を見ることがよくあります。
樹齢
100年の木は伐採して、100年後に円熟するといわれます。
年月を経た木も削ると、真新しい木と同じような爽やかな香りがします。

 昔の人は、そんな木の特性を良く知っていたのだと思います。
以前は、柱や梁をむき出しにして木を空気に触れさせ、木が呼吸できる状態で活用しました。
木が呼吸してくれる住まいだから、爽やかな空気が流れます。
そして、そのおかげで木は円熟し、いっそう価値のある木になりました。
そんな価値のある木ですから、再利用されるのが当たり前だったのでしょう。

 昔のように木の住まいを第二の森にしたいものです。