パッシブデザインの高性能な健康住宅に興味をお持ちの皆さん、断熱材についてご存知ですか。
一年を通して快適に過ごせる高性能な健康住宅に大切な要素として、断熱性能があげられます。
断熱性能を高めるためには、断熱材の選択と用い方がとても大切になります。
今回は、健康住宅の建築時に用いられる断熱材と断熱方法について解説します。
□断熱材の種類について
はじめに断熱材の種類をご紹介します。
注文住宅に用いられる一般的なものとして6つご紹介します。
1つ目は、グラスウールです。
グラスウールは、ガラス繊維でできた綿状の素材です。
メリットは耐火性と吸音性に優れていてかつ、比較的安価に入手できることでしょう。
一方で、調湿機能はなく、結露に弱いことがデメリットとなります。
2つ目は、ロックウールです。
こちらは、玄武岩等の天然岩石を主原料としている人造鉱物繊維です。
耐火性や吸音性が優れているが、やや価格が高く、結露に弱いことが弱点です。
3つ目は、ポリスチレンです。
原油やナフサを原料としたスチレンモノマーを重合させて作られます。
発泡スチロールという名前の方が有名ですね。
耐水性が高く、湿気を吸い込みにくいですが、上記の2つよりも高額です。
4つ目は、ウレタンフォームです。
ポリオールとポリイソシアネートを原料としているプラスチック発泡体です。
金属や木材等の建材と相性がよく、現場で発砲する場合には小さな隙間にも使用できます。
しかし、燃えると有毒ガスが発生するので対策が必要です。
5つ目は、セルローズファイバーです。
原料は回収された新聞古紙で、防音性に優れており、調湿効果もあります。
しかし、経年で沈下して、隙間ができて断熱性能が下がる不安もあります。
6つ目は、フェノール樹脂です。
熱硬化性樹脂の一つで、熱に強く、熱で硬化する特徴があります。
高い耐熱性・ 難燃性が求められる箇所に幅広く用いられています。
熱伝導率が低く、他の断熱材に比べて、同じ厚さでも高い断熱性能を発揮します。
□外断熱と内断熱について
続いては、外断熱と内断熱について解説します。
*外断熱
外断熱とは、住宅の外側をしっかりと断熱材で覆う方法です。
梁や柱の構造体も断熱材で覆うので断熱性能が高めやすいです。
費用的には、内断熱に比べて費用は高価になる傾向です。
*内断熱
内断熱は、柱と柱の間に断熱材を充填する方法です。
断熱方法としては、一般的な方法ですが、壁の中で結露させない対策が必要です。
壁の中で結露が起きると断熱性が大きく下がってしまいます。
□まとめ
今回は、住宅に使用される様々な種類の断熱材について解説しました。
高性能な健康住宅を建てる場合には断熱材の長所・短所の特徴を把握して断熱設計します。
その際、使う断熱材によって、内断熱・外断熱も使い分けます。
断熱性能を高めるほど、結露対策や換気、空調など、考慮することも多くなります。
バランスの良い高性能になるほど、涼しく温かな年中快適な住まいになります。
そして、カビやダニが発生しにくくなるため、健康に暮らせます。
年中、初夏のような、さわやかな室内環境の住まいでしたら、いつまでも元気に暮らせます。