新築の家やリフォームした際に体調不良を引き起こすこともある「シックハウス症候群」。結露が発生するような住宅が増えたことで症状を訴える方が増えています。その解決策として自然素材を使用した家づくりも注目されています。ここでは、シックハウス症候群がどのようなものか、その対策としての自然素材などをご紹介します。
□「シックハウス症候群」とは?
*シックハウス症候群とは
家の新築やリフォームをした際に、家の建材や塗料、壁紙、木材保存剤などから放出される化学物質により、室内の空気が汚染されて引き起こされるものです。化学物質としては、接着剤などに含まれるキシレンやトルエンなどが例として挙げられます。
また、化学物質以外にも、ダニやカビも発症の原因となることがあります。
室内の湿度が高くなるとカビが生えやすく、ダニが繁殖しやすいです。
梅雨などの湿度が高くなりやすい時期は、湿度60%以下になるように通風などの工夫も必要です。
2003年にはシックハウス対策として、建築基準法改正でホルムアルデヒドとクロルピリホスが規制対象となりました。
新築段階で自然素材を取り入れることにより、シックハウス症候群は予防できるでしょう。
*シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群には、以下のようなさまざまな症状が発生する可能性があります。
頭:頭痛
目:チカチカする、涙目になる、充血
鼻:鼻水、鼻のムズムズ
口:唇の乾燥、せき、
喉:のどの痛み、のどの乾燥
肌:肌のかゆみ、湿疹
その他:下痢、便秘、吐き気、嘔吐、息苦しい、疲れやすい
人により、出る症状など個人差があります。また、室内で過ごす時間が多い高齢者や乳幼児は、シックハウス症候群の症状が出やすい傾向にあると言われています。
□シックハウス症候群対策に用いると良い自然素材
シックハウス症候群対策に適した自然素材には以下のようなものがあります。
それぞれ見ていきましょう。
1つ目は、無垢材材(むくざい)です。
無垢材は、接着剤を使わず、天然の木からそのまま利用する木材です。無塗装の無垢材は、冬でも冷たさを感じない素材で触れた感じもよく、床材に用いると年中心地よく過ごすことができます。また、調湿効果も高く、自然な木の香りを楽しめるため、リラックス効果も期待できます。有害物質を含まないため、シックハウス対策として有効です。
2つ目は、漆喰(しっくい)です。
漆喰とは、石灰などの水酸化カルシウムを主な原料にした塗り壁材です。 調湿作用でカビ・ダニの発生を抑える効果やホルムアルデヒドを吸着する効果も期待できます。
3つ目は、珪藻土(けいそうど)です。
藻類の一種で住宅の内装材に使用されています。漆喰と同様、有害なホルムアルデヒドを吸着・分解してくれるので、シックハウス症候群の発症予防が期待できます。
□まとめ
ここでは、シックハウス症候群がどのようなものか、その対策としての自然素材をご紹介しました。2003年の建築基準法改正で最低限のシックハウス症候群対策が規定されていますが、健康的な住まいで暮らしていただくために換気性能の高い家にするとともに自然素材を活用することをおすすめします。