新築を建てる際のシックハウス症候群対策として「自然素材」の人気が高まっています。中でも珪藻土は、内装の壁に活用されていますが、どのような性質や特徴があるのでしょうか?ここでは、珪藻土の仕組みや珪藻土の壁の良い部分を解説します。
□珪藻土(けいそうど)とは?
珪藻は植物プランクトンの一種で、植物性プランクトンの死んだ殻が化石になった土を珪藻土と言います。英語では、diatomite(ダイアトマイト)と呼ばれています。
珪藻は世界中の海や川、湖などに生息しており、大量に増殖して赤潮を引き起こすこともあります。種類は、10万種類とも言われています。粒の大きさは0.01~1mm程度です。日本でも、秋田、石川、岡山、大分を中心に80箇所ほどで採取されています。
珪藻土の主な成分は、ガラスと同じ「二酸化珪素(SiO2)」です。シリカや無水ケイ酸とも呼ばれています。バスマットやコースター、脱臭グッズ、七輪の原料、耐火断熱レンガ、乾燥剤、食品の湿気防止などにも使われているため、馴染みがある方も多いのではないでしょうか。
□珪藻土の壁のいいところとは
ここでは、珪藻土の壁の良い部分やメリットなどを解説します。
*調湿性
メリットの1つに、調湿性があります。珪藻土は、1粒1粒に小さな穴が無数に空いており、その穴で空気中の湿度を調整します。湿度が高いときは、空気中の水分を吸収し、湿度が低い乾燥しているときは、水分を放出します。湿度が40%ほどになると放出するため、内装に使うことで、梅雨の時期などもジメジメすることなく住みやすい快適な空間を保つことができるでしょう。また、カビやダニの発生を抑制する効果も期待できます。
*脱臭効果
におい分子は空気中の湿気に溶けるので、湿気を吸収すると同時に臭いも吸収してくれます。
逆に珪藻土が水分を放出する際には、放出速度が遅いため臭いを放出せずに留めてくれます。
また、同じ仕組みから珪藻土には音も吸収する効果も期待できます。無数の気孔が音を吸収し、外に漏れる音などを抑えることができます。
*肌触り
珪藻土を使った塗り壁は、独特の温かみのある肌触りをしています。ゆず肌とも呼ばれており、視覚的にも触覚的にも凹凸が感じられます。
□まとめ
ここでは、珪藻土の仕組みや珪藻土の壁の良い部分などを解説しました。珪藻土は、調湿性や脱臭効果が期待でき、かつ独特の肌触りを楽しめます。また、自然素材の一種であるためシックハウス症候群の予防にも最適です。快適に過ごせる住まいづくりに、ぜひ珪藻土を取り入れてみてはいかがでしょうか。