注文住宅を建てる際、土地を所有しているかしていないかによって、何から始めるべきかの手順が変わってきます。土地をお持ちの方は、施工会社を探して工事の契約をします。一方土地をお持ちでない方は、土地を探して購入するところから始めなければなりません。なぜなら、どのような土地に家を建てるかによって、設計や施工方法が変わってくるからです。
新たに家を建てる土地には「地盤調査」を行います。
この記事では、地盤調査について費用や方法をご紹介します。
□地盤調査とは?
近年は以前よりも耐震性の高い家が増えてきました。しかし、たとえ家そのものが耐震性に優れていても、家が建っている土地が揺れに弱いようでは、安全に生活することはできません。そのため、家を建てる前に、その土地が家を支えられるほど頑丈かどうかを調査する必要があります。それが「地盤調査」です。
地盤調査の結果、家を建てるのに適さない土地とみなされたら、地中の固い地盤まで杭を打つなどの地盤強化の対策が必要になります。2000年に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」が施行されたことから、家を建てる前に地盤調査を行うことが多くなりましたが、地盤調査は法律で義務付けられているわけではなく、任意に行うものです。しかしながら、調査を行わないと地盤保証会社に保証をしてもらうことができないため、地盤の調査は必須になります。
□地盤調査にかかる費用
「スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査」にかかる費用は、一般住宅の敷地の調査
でも約10万円ほどかかります。「表面波探査法」は「スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査」よりやや費用が高くなります。「ボーリング調査」をすると「スウェーデン式サウンディング試験による地盤調査」の倍以上の20〜30万円程度が相場となっています。
□地盤調査の方法
具体的な地盤調査の方法をご紹介します。
*スウェーデン式サウンディング試験(SWS試験)
一番多く用いられる地盤調査方法です。鉄の棒にドリル状の部品を取り付け、おもりで荷重をかけてスクリューポイントを回し、地中に貫入させていく方法です。コストが安く、検査方法もシンプルなので多く利用されています。
*スクリュードライバーサウンディング試験(SDS試験)
SWS試験をさらに高精度にした調査方法です。土質を推定する精度が高いので、地盤の強度が明確にわかるのが特徴です。
*ボーリング調査(標準貫入試験)
地面に8センチほどの穴をあけて、そこにサンプラーと呼ばれる部品を通して検査します。得られるデータの信頼性が高いのが特徴ですが、コストも割高になります。
*表面波探査法
起震器という振動を発生させる装置と、振動を感知する検出器を地面に置いて、振動の伝わる早さで強度を測ります。短期間で測定できますが、コストは少し高めとなります。
□まとめ
今回は地盤調査についてご紹介しました。地盤調査は、建てる家に適した強度をその土地が保有しているかどうかを確認するものです。強度が足りない場合には、杭を打つなどによって、地盤の強度を補強するための設計資料となります。地盤を調査する方法はいくつかありますが、簡単にできる方法と期間のかかる方法があり、得られる精度によってもコストが変わってきます。安心して暮らすためにも、家の設計が完了しましたら、最適な調査方法と地盤改良方法を専門家にご相談されることをおすすめします。